第32回定期イベント 「麺に学ぶ」

開催日:2020.2.9

イベントレポート「麺に学ぶ」

料理の温故知新 Vol.3
ベーシックな調理技術の温故とはなにか、先をゆく知新とはなにかを探るシリーズの最終回。これまでの食材、肉、魚に続いて考察するのは「麺」ですが、麺を細く長い麺類だけでなく小麦粉などを使った粉食も指す広い意味でとらえることで、食の根源に迫るまとめをおこないました。

Program 1:レクチャー

小麦のサイエンスとあわせ、麺とは炭水化物のデザインであることをレクチャー。原理原則に基づくクラシックな料理や技術を調べ、現代にとって新しいことを見出すのが「温故知新」とすれば、新しい料理や技術を調べクラシックな料理の素晴らしさを理解する「温新知故」の道もあると示唆していただきました。

講演:料理人のための麺のサイエンスとデザイン
川崎 寛也氏(農学博士、「味の素株式会社 食品研究所」上席研究員)

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Program 2:料理プレゼンテーション(試食の提供)&考察

広義の「麺」から考案された料理を日本料理と中国料理で提案していただきました。実演後、川崎先生に各料理について考察していただきました。

日本料理:松尾 英明氏(日本料理「柏屋」代表・総料理長)
料理:「麩の焼き/麦餅」

日本料理に大きな影響を及ぼす茶の湯において、千利休が麩の焼きを多用したのは何故か見直すことから始め、日本の食文化のなかでの麦の役割を探ったという松尾さん。粉にして使うことの意味、素朴な味だけではなく料理に求める最高のものとはなにかを説きながら、現代に通じる松尾流の小麦粉料理二品を披露していただきました。
「麩の焼き/麦餅」

考察

小麦粉を練って麺にするのではなく、包むのが料理のデザイン。麩の焼きも麦餅も、味わいがあるのとないのを組み合わせれば美味しく感じることも実証されて、想像力が刺激されました。

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中国料理:吉岡 勝美氏(「辻調理師専門学校」中国料理技術顧問、コアメンバー)
料理:「子羊とオリーブの焼餅」

米が育たない中国大陸の北から麦を使った食品が発展してきた歴史とともに、中国における多様な小麦粉料理を概観。そのなかで、吉岡さんはこれまでなかった方法に挑戦、デンプンの糊化と酵母を生かした熱いスープが包める薄い生地を作りだし、新しい餅(ピン)料理として提案。その調理過程を映像にしてプレゼンテーションされました。
「子羊とオリーブの焼餅」

考察

長い歴史のある中国料理、それも遣り尽くし感のある「麺」料理でなお隙間を見つけ、新しい試みに挑み、かつ見事な料理に仕上げられていることに感服しました。

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Program 3:ディスカッション

グループ・ディスカッション

当日参加の会員にはコアメンバーも参加する3つのグループに別れてもらい、Program1と2の内容について意見交換していただきました。

パネル・ディスカッション

出演者、コアメンバーによって、まとめの討議をおこなっていただきました。

参加コアメンバー:山口 浩氏(「神戸北野ホテル」総支配人・総料理長)、山根 大助氏(「ポンテベッキオ」オーナーシェフ)、髙橋 拓児氏(「木乃婦」三代目主人)
進行:門上 武司

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