第31回定期イベント 「魚の火入れ」

開催日:2019.10.20

イベントレポート「魚の火入れ」

ベーシックな調理技術の温故とはなにか、先をゆく知新とはなにかを探る第2弾。肉の火入れに続いて、魚の火入れについて考察と検証をおこないました。魚という食材の特質をいかに生かすか、火入れによって温度をいかに繰るか、科学的なアプローチと先進的な料理の提案実演によって魚の加熱調理の可能性を探りました。

Program 1:レクチャー

火入れとは、食材の温度を上げることという原則のもと、最新の動向を踏まえ、サイエンスとデザインの視点からレクチャー。加熱しても柔らかく感じさせる方法や塩の役目などポイントを踏まえ、魚の加熱調理ならではの新たな道を示唆していただきました。

講演:料理人のための「魚の火入れ」のサイエンスとデザイン
川崎 寛也氏(農学博士、「味の素株式会社 食品研究所」上席研究員)

Program 1:レクチャーの詳細はこちら

Program 2:料理プレゼンテーション&考察

各ジャンルごとに考案された「魚の火入れ」料理を提案(試食提供)。実演後、川崎先生にそれぞれの料理について考察していただきました。

日本料理:髙橋 拓児氏(「木乃婦」三代目主人)
料理:「甘鯛飯むし」

「甘鯛飯むし」は「木乃婦」創業以来伝承されるメニューのひとつ。国内の沿岸で獲れる甘鯛が貴重な食材になりつつある今日的課題に対して、高橋さんはあえて値頃の中国産を使って料理することを提案。味わいと香りを強める手法などで、まさに温故知新を地でゆく料理を披露していただきました。
「甘鯛飯むし」

考察

油で溶ける香気成分の特質を生かすなど、香りを効果的に使えば火入れもアップグレードさせられることが実証されていました。

Program 2:料理実演と試食 [日本料理]の詳細はこちら

イタリア料理:山根 大助氏(「ポンテベッキオ」オーナーシェフ)
料理:「白身魚のブロデット(油脂と温度が魚の火入れに与える影響についての実験)」

端的に言えばごった煮という伝統的な料理のブロデットで、魚の火入れにひとつの方向を示す、メニューにある副題通りの実験的な提案です。そのなかに、魚介スープ、アイオリソースなどの基本的な調理と、トマトジャム、昆布水など独自の手法を組み合わせた山根さんならではの魚料理を披露していただきました。
「白身魚のブロデット(油脂と温度が魚の火入れに与える影響についての実験)」

考察

魚をしっとり柔らかく仕上げる方法にも多様なアプローチが可能なことを、煮込み料理で実証してみせてもらいました。

Program 2:料理実演と試食 [フランス料理]の詳細はこちら

Program 3:ディスカッション

グループ・ディスカッション

当日参加の会員の方には、コアメンバーを中心とした3つのグループに別れてもらい、各グループごとに当日の内容について討議していただきました。

パネルディスカッション

出演者、コアメンバーによって、グループ・ディスカッションでの報告と全体まとめの討議をおこなっていただきました。

参加コアメンバー:山口 浩氏(「神戸北野ホテル」総支配人・総料理長)、吉岡 勝美氏(「辻調理師専門学校」中国料理技術顧問)
進行:門上 武司

Program 3:パネルディスカッションの詳細はこちら