第29回定期イベント 「だしの料理との可能性を探る」

開催日:2019.2.17

概要

だしの第3弾
料理との可能性を探る
これまでの検証と考察を踏まえて、「だし」からできることの可能性を探りました。

Program 1:レビュー

事前に寄せられた質問への回答と、「だし」の使い方をテーマに締めくくりの講義をしていただきました。

講演:川崎 寛也氏
農学博士・味の素株式会社イノベーション研究所

基調講演:『料理人のための「だし」のサイエンスとデザイン 「だし」を使う』

Program 2:料理実演と考察

各ジャンルの新しい「だしからつくる料理」実演と、それぞれの料理について川崎寛也氏に考察していただきました。

1:日本料理:下口 英樹氏
「平等院表参道 竹林」主人

実演:「鴨真薯の煮物椀」

・京鴨の肉、あんぽ柿のペースト、かぶせ茶の粉などで作る椀種。昆布と鰹節でとった一番だしに京番茶をコーヒーサイフォンの蒸気圧で混ぜる特製「だし」。という組み合わせの煮物椀を披露していただきました。

考察
・鴨肉によって脂が「だし」のうま味を保持するというサイエンスの実証に加え、地元・宇治の各種の食材を使いこなした食文化も表す料理になっている。

2:イタリア料理:木下 憲幸氏
「リストランテ ドゥエ」シェフ

実演:「ガストロバックアワビと海苔のラザニエッテ」

・魚介のブロードとラザニエッテにアワビの料理はイタリアンですが、随所に昆布、海苔、玉露、それに太白ごま油など異種な食材を多用。日頃供しておられるボーダーレスな感性と技を披露していただきました。

考察
・味を移すため、香りを移すためという「だし」の本質的な役割を再構築した料理であること、そのために昆布という食材や減圧調理が使いこなされている。

3:中国料理:吉岡 勝美氏
「辻調理師専門学校」中国料理技術顧問

実演:「中国茶のスープとショウロンパオのひと碗」

・まず、中国料理の基本的な「だし」となる“白濁したスープ”“澄んだスープ”それぞれを解明し、再構築の方法を提案。その実践として、小籠包と中国茶風味のスープによる独創的な料理を披露していただきました。

考察
・吉岡先生の中国スープの分解と再構築によって、新たな白湯スープが生まれる汎用性まで実証され、「だし」を考えるということの本質的な価値が示された。

Program 3:ディスカッション

コアメンバーが加わり、「料理実演と考察」をもとに、だしと料理についての討議をおこないました。
参加コアメンバー:山口 浩氏(「神戸北野ホテル」総支配人・総料理長)、山根 大助氏(「ポンテベッキオ」オーナーシェフ)、髙橋 拓児氏(「木乃婦」三代目主人)
進行:門上 武司